カイロの語源と歴史・使い捨てカイロの発祥と長持ちする使い方
2022/11/25(金)
冬になると大活躍するカイロですが、語源や歴史をご存じない方は多いでしょう。
「どうしてカイロっていうんだろう?」
「使い捨てカイロっていつから販売されてるの?」
こんな疑問をお持ちのアナタのために、当記事では以下の点を解説します!
カイロの語源や歴史だけでなく、使い捨てカイロの仕組みや正しい使い方、おすすめ商品もご紹介。
カイロについての疑問をお持ちの方はもちろん、ノベルティや販促品として使い捨てカイロの配布を検討されている方も「豆知識」としてぜひご覧ください。
カイロの語源(ルーツ)とは?
カイロは日本独自の保温具で、江戸時代の「温石(おんじゃく)」がルーツとされています。
江戸時代の人々は、石や砂、塩を温めたためて布にくるみ、それを懐に入れて身体を温めていたそうです。
「カイロ」は漢字で書くと懐炉ですが、次のような意味を持ちます。
- 懐(衣服を着た時の胸部分の内側)
- 炉(火を燃やして段を取る場所)
つまり、江戸時代の温石をもとに「カイロ(懐炉)」となったのでしょう。
カイロの種類・歴史について
続いては、カイロの種類を時系列に沿ってご紹介します。
カイロはどんな歴史をたどって、今の形になったのでしょうか。
温石:平安~江戸
温石は、先にご説明したように温めた石・砂・塩を布でくるんだ保温具です。
平安時代末頃から江戸時代にかけて使われたとされ、志羅山遺跡(岩手県)、沖田遺跡(新潟県)、菅野遺跡(兵庫県)、坂本遺跡(高知県)など、全国各地で出土しています。
温石を小さな硯(すずり)に転用したものが出土したり、トイレ跡から温石が出土したりと、昔の人たちの生活には根付いていたことが伺えるのではないでしょうか。
現代人とは形こそ違いますが、昔の人たちも寒い冬を乗り越えるために暖をとる工夫をこらしていたようです。
カイロ灰(灰式カイロ):明治
明治時代になると、懐炉灰(木炭の粉末などから作る灰)を袋に詰め、金属容器の中で燃やす方式のカイロが使われました。
「カイロ灰(灰式カイロ)」を製造するメーカーも多数設立され、日本国内では安価な暖房器具として普及したようです。
2010年代初頭までは登山用品メーカー向けに製造が続けられていましたが、現在は生産が終了し、国内メーカーは存在しません。
ベンジンカイロ(白金触媒式カイロ):大正
大正時代には、ベンジンを主な燃料とする懐炉が登場します。
仕組みとしては、気化したベンジンを白金(プラチナ)の触媒作用によって燃焼させ、酸化熱を発生させるものです。
現在のような使い捨てカイロが登場するまで一般的に使われており、今でも国内で製造・販売されています。
ベンジンカイロは大きいzippoライターのような見た目で、「使い捨てカイロより温かい」として愛好家は多いとのこと。
南極のような寒い場所やアウトドアでは、定番アイテムだそうです。
使い捨てカイロ:昭和
皆さんおなじみの使い捨てカイロは、1978年(昭和53年)に日本純水素(現日本パイオニクス)が開発し、ロッテ電子工業(現在はロッテ本体に吸収合併されている)が「ホカロン」の商品名で発売しました。
現在も販売されるロングセラー商品なので、ご存知の方も多いでしょう。
「ホカロン」の発売後も桐灰化学、フマキラー、大日本除虫菊など多くのメーカーが参入し、様々な商品が発売されています。
具体的には1988年に貼るタイプの使い捨てカイロが発売され、現在は肩用、靴下用なども一般的です。
※使い捨てカイロは鉄粉を酸化反応させた熱を利用した保温具ですが、仕組みについては次の項目で詳しく解説します。
電子レンジカイロ:平成
2000年(平成12年)になると、電子レンジで加熱して使うカイロが登場します。
仕組みとしては、ゲル状にした保温材やセラミックビーズなどが中に入っており、これを温めることで蓄熱するものです。
「ゆたぽん」などの商品が発売され、保温時間が長いことから、現在も多くの愛用者がいらっしゃいます。
温まり方が緩やかなので、湯たんぽの代替品として就寝時に使う方が多いようです。(「ゆたぽん」の保温時間は約7時間)
電池式カイロ(充電式カイロ):平成
2006年(平成18年)には、電池式のカイロが発売されます。
ON/OFFが簡単で、ゴミが発生しない点はメリットですが、一般的に使い捨てカイロより温度は低い点がデメリットです。
とはいえ非常に使いやすいため、日本国内はもちろん海外でも人気があり、広く使用されています。
どうして温かい?使い捨てカイロの仕組み
使い捨てカイロが温かくなる理由は、鉄が酸素と反応する時に起こる化学反応です。
化学反応によって鉄が酸化鉄になる際に熱が発生しますが、使い捨てカイロはこの熱を利用しています。
ちなみに、使い捨てカイロは次の原料からできており、それぞれ役割が違います。
■使い捨てカイロの原料と役割
-
- 鉄粉:酸化鉄を作るために必要で、原料の半分以上を占める
-
- 水:鉄粉がさびる(酸化する)のを助ける
-
- バーミキュライト:カイロの中の水分を取り込み、鉄粉をサラサラの状態に保つ
-
- 活性炭:表面にある隙間に空気を蓄え、鉄粉への酸素供給を促す
-
- 塩(塩化カリウム):鉄粉がさびる(酸化する)のを助ける
また、使い捨てカイロの表示には、それぞれ次のような意味があります。
■使い捨てカイロの表示の意味
-
- 最高温度:カイロの最高温度を統計的に処理して求めた数値
-
- 平均温度:カイロの温度が40℃を越えてから40℃を下回るまでの平均温度
-
- 持続時間:カイロの温度が40℃を越えてから40℃を下回るまでの時間
使い捨てカイロは、このような仕組みで温かくなります。
ノベルティや販促品としてカイロを配布するなら、覚えておかれると良いでしょう。
意外と知らない使い捨てカイロの正しい使い方
それでは最後に、使い捨てカイロの正しい使い方をご紹介します。
安全に使うために大切なポイントですから、確認しておいてください。
振ったりもんだりしても早く温まらない
使い捨てカイロを取り出すと、早く温かくなるように振ったりもんだりしませんか?
実は、使い捨てカイロを振ってももんでも、温かくなるスピードは同じだそうです。
以前は使い捨てカイロの中の鉄粉が偏ることがあったため、振ったりもんだりして偏りを均一にしていました。
現在の使い捨てカイロは改良が重ねられ、中の鉄粉が偏りにくくなっています。
振ったりもんだりがNGというわけではありませんが、取り出して持っているだけで温かくなりますよ。
低温ヤケドに注意
使い捨てカイロを身体に貼るときは、低温ヤケドに注意しましょう。
低温ヤケドとは、体温より高い40~60℃くらいのものに長時間触れることで、皮膚に水泡などの症状が出ることです。
低温ヤケドを避けるには、次の点にご注意ください。
-
- 直接肌に貼らない(衣服の上から貼る・ハンカチに包む)
-
- 同じ場所に長時間貼らない(貼る位置を時々ずらす)
-
- 就寝中は使わない(熱くなっても気付きにくい)
-
- 商品の使用用途を守る(靴用を身体に貼るなどしない)
正しい使い方を理解して、安全に使い捨てカイロを使用しましょう。
製品や使い方で温かさの持続時間が変わる
使い捨てカイロは、商品によって温かさの持続時間に差があります。
「持続時間」の表記を参考に、利用シーンに合ったタイプを選びましょう。
また、ノベルティや販促品としてカイロを配るなら、目的に合ったタイプを選ぶことも大切。
ノベルティストアのおすすめは、次の2点です。
■コストを抑えて大量に配りたい
単価が安いカイロを大量に配りたい場合は、海外産の「らくらくカイロ」がおすすめ!
国内産より持続時間は短め(約8時間)ですが、滞在時間の短いイベントなどでは十分でしょう。
単価16.61円なので、イベントでのバラマキに最適です。
■SDGsへの取り組みをアピールしたい
企業としてSDGsへの取り組みをアピールしたい場合は、「エコポッカ」をおすすめします!
使用後は中身を取り出して土壌改良剤として再利用できるため、環境への配慮をPRできそうです。
パッケージに高級感もありますし、持続時間も約12時間とタップリ。
滞在時間の長いイベントで重宝しそうです。
その他にも当店では多数のカイロをお取り扱いしております。
関心をお持ちの方は、ノベルティ向けカイロの商品一覧ページをご覧ください。
まとめ
当記事では、カイロの語源や歴史、使い捨てカイロの仕組みや正しい使い方をご紹介しました。
カイロの豆知識を知っていれば、ノベルティ・販促品としてカイロを配るとときお客様に教えてあげると喜ばれるかもしれません。
また、正しい使い方を知っていれば、安全に使い捨てカイロを使用できます。
この記事を読んでいただいたアナタは、「カイロ博士」になっているはず(笑)。
日本の冬には欠かせないカイロについて、アナタの知識を周りの方にもぜひ共有してあげてください。
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